スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
光莉は贖罪のためにすべてを洗いざらい話した。
元カレの斗真のこと。彼が結婚したこと。初体験の後に投げかけられた言葉が忘れられず今でもしこりのように残っていること。
「た、瀧澤専務はご、ご経験が豊富そうで、お、おおお優しいので!抱いて頂ければ自信がつくのでないかと……。本当に浅はかでした!こんなことをお願いするなんてっ……!報酬を何にするかはしばらく考えておきます!」
これ以上、恥の上塗りをする前にこの場から立ち去りたかった。光莉はバッグを抱え、すっくと立ち上がった。
「出水さん」
引き止めるように腕を掴まれた光莉は、ビクンと身体を揺らした。二度と顔を見せるなと瀧澤から罵倒されてもおかしくない愚行を犯した光莉に逃げ場はなかった。
「明日、七時にトワイライトホテル二階のティーラウンジで待っていてくれ。君の望む報酬を与えたい」
「え……?」
「君を抱くと言っている」
光莉を射抜く真っ直ぐな瞳が、本気だと言っている。
まさか……承知してもらえるなんて。
光莉はコクンと小さく頷いた。