スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

「出水さん、専務が至急執務室まで来るようにと……」

 瀧澤からの呼び出しも二度目とあって、部長は少し冷静になっていた。見積を作っている途中だった光莉は即座に返事をした。

「は、はい!わかりました!行ってきます!」

 光莉は役員フロアへとピューっと飛んでいった。
 瀧澤の名前を聞いただけで、ドクドクと鼓動が速くなるのを感じる。

(何だろう……)

 わざわざ仕事中に内線で呼びつけなくても、私用なら直接連絡をくれればいいのに。
 指示通り執務室までやって来ると、呼び出された理由をすぐに説明された。

「テニスコンペ?」
「ああ、安西会長ご夫妻からお誘いがあってな。うちの会社以外にも何社か声をかけているらしい」

 光莉は瀧澤からコンペの実施要項をプリントアウトされたものを渡され、流し読みする。
 野外テニスコートを丸一日貸し切って行われるようだ。企業が身内で主催するにしてはかなりの規模だ。
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