スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
「えー普通〜。もっとこうあるじゃん?光莉ちゃんしか知らないグッとくる一面を教えてよ〜」
「柳瀬さんには教えません!私を揶揄うつもりでしょ!?」
「ちぇっ。バレたか」
悔しそうに呟く柳瀬に愛想笑いを返すと、光莉はパソコンのメールツールを立ち上げ瀧澤から送られてきた詳細を確認した。
「それもまた瀧澤専務関連?」
「はい。サンライズホテルグループ主催のテニスコンペの参加者を集めて欲しいと頼まれました」
「専務も出るの?」
「そのつもりだと伺いました」
「じゃあ、そうやって書いておかないとね」
柳瀬は光莉の後ろからマウスを奪い取り、元々の実施要項に「瀧澤専務も出場予定」と吹き出しのオブジェクトを添えた。
社内掲示の手続きを済ませると、あとは参加希望者からの連絡を待つばかり。
吹き出しの効果なのか、掲示が始まった直後から光莉の元には多くの問い合わせがあった。
一人も参加者がいなかったらどうしようと心配していたが、最終的には予想を上回る申し込み数となった。
あまりに希望者が多くなったため、参加者の十組を抽選で選ぶ羽目になった。