スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
テニスコンペが終わり、トボトボひとりで電車で帰ろうとすると「家まで送る」と言われ、車まで連行される。
「念のため、病院に行こう」
「いいですよ!休んだらすっかり良くなりましたし!」
「本当にすまない……。私がもっと早く気づいていれば」
(瀧澤専務が責任を感じることないのに。律儀な人だなあ……)
軽い熱中症になったのは、光莉の管理不足だ。給水やエネルギー摂取を怠った結果であり、むしろ謝らないといけないのは光莉の方である。光莉がしっかりしていたら、優勝だって狙えたはずなのに。
反省していると、光莉のアパートに到着した。
車から下りようとすると、ひょいと瀧澤に抱き上げられる。
「何するんですか!?」
「まだ安静にしておいた方がいい」
「階段ぐらいひとりで上れます!」
「いいから。運ばせてくれ」
それで瀧澤の気が済むならと、渋々お姫様抱っこで運ばれるのを了承したが光莉はすぐに後悔した。
……想像以上に恥ずかしい!
誰とも遭遇しませんようにと祈るような気持ちで瀧澤にしがみつく。
部屋の前までくると、ようやく下ろしてもらえると思ったのだが……。