愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「実は……ローズマリーお嬢様の箱庭から、花が盗まれたようでして」
「まぁ! 校則違反ではありませんか」
自分のことのように憤るセリに、ペリウィンクルは(変わったな)と感想を抱いた。
以前だったら、オドオドするだけで、声に出して怒ることなんてなかった。なんでも自分が悪いのですというような顔をして悲劇のヒロインぶって──とそこまで考えて、やはりローズマリーの選択が正しかったのだと思う。
三日月夜の茶会以降、セリとシナモンは恋人同士になったらしい。
恥ずかしそうに報告してくれたセリを、ローズマリーと二人で祝ったのは先月のことである。
茶会で出したセントジョンズワートは、シナモンのための茶だった。
恋人だと思っていたリコリスに相手にされなくなり、疑心暗鬼になるあまりに不眠症を患っていたのだ。
あの晩、早々に寝てしまったペリウィンクルは知らなかったのだが、シナモンは茶を飲むなりセリの肩にもたれて眠ってしまったのだとか。
「まぁ! 校則違反ではありませんか」
自分のことのように憤るセリに、ペリウィンクルは(変わったな)と感想を抱いた。
以前だったら、オドオドするだけで、声に出して怒ることなんてなかった。なんでも自分が悪いのですというような顔をして悲劇のヒロインぶって──とそこまで考えて、やはりローズマリーの選択が正しかったのだと思う。
三日月夜の茶会以降、セリとシナモンは恋人同士になったらしい。
恥ずかしそうに報告してくれたセリを、ローズマリーと二人で祝ったのは先月のことである。
茶会で出したセントジョンズワートは、シナモンのための茶だった。
恋人だと思っていたリコリスに相手にされなくなり、疑心暗鬼になるあまりに不眠症を患っていたのだ。
あの晩、早々に寝てしまったペリウィンクルは知らなかったのだが、シナモンは茶を飲むなりセリの肩にもたれて眠ってしまったのだとか。