愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!

第18話 妖精の嫉妬

 サントリナは女性だ。
 頭ではわかっているが、目から入ってくる情報は美青年で、手を握られてつい胸が高鳴った。
 冬の国の姫が恋に落ちるのも、わかる気がする。面食いであるペリウィンクルもまた、彼女の魅力に屈しそうになっていたから。

 浮ついた気持ちを落ち着けるべく、着替えてからお茶を出すまでの行動を考えながら自室へと急ぐ。
 パタンと扉を閉めたペリウィンクルは、安心したように息を吐いた。

「……サントリナが好きなのか?」

「ぴゃあっ!」

 突然、脇から影が落ちる。
 見上げるよりも早く耳元で囁かれて、心臓が止まるかと思った。
 そうでなくとも、サントリナからの過剰な接触のせいで胸が騒いだままだったというのに、不意打ちで吐息混じりの艶っぽい声を出されてはたまったものではない。
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