愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「何かしら?」

 わくわく! と顔に書いてあるようだ。
 好奇心のかたまりのような顔をして、「さぁ早く、例の話題を振って」とローズマリーはペリウィンクルを見つめてくる。

 ローズマリーには悪いが、ペリウィンクルの言いたいことは、サントリナのことではない。
 巡り巡ってサントリナと関係しているかもしれないが、現段階では無関係である。
 確かめるようにセリを見ると、先を促すようにコクンと頷いた。

「箱庭のハニーサックルですが……さすがにもう、見逃すことはできません」

 言われた内容が求めているものではなかったせいか、ローズマリーはがっくりと肩を落とした。

「そんなに?」

 首を傾げるローズマリーは、べらぼうにかわいらしい。
 思わず胸を押さえたペリウィンクルの代わりに答えたのは、セリだった。
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