愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「ふむ」

「あら、ペリ。何か名案でも?」

「そうですね……私は庭師ですから。庭師は庭師らしく、ハーブを使ってサントリナ様の恋を応援できないかな、と思いまして」

「惚れ薬とか?」

「まさか。冗談ですよね?」

 ひょいと肩を竦めてクスクス笑うローズマリーに、カモミールティーを差し出す。
 ローズマリーはそれを洗練されたしぐさで持ち、立ち上るリンゴのような香りに頰を緩めた。

「わたくしがダイエットした時のような……そうね、ニゲラ様なら、トレーニングに効果があるハーブティーを差し入れるというのはどうかしら? ペリ、そういうのはないの?」

「そうですねぇ……」
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