愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
 用意していたエプロンを渡しつつ、二人をテーブルへ案内する。
 テーブルの上には、ハーブや茶器、それから軟膏を作るための道具が並ぶ。

「では、始めましょうか」
 
 生徒よろしく「はーい」と返事をしてエプロンをつけた二人の前に、ペリウィンクルはハイビスカスとローズヒップの瓶を並べて見せる。

「こちらはハイビスカスとローズヒップです。ハイビスカスには、食べたものをエネルギーとして利用する力を活性化させる効果があり、ローズヒップには運動で失われたビタミンを補う効果があります。二つを合わせてお茶にすることで、運動中にはもってこいのドリンクになるのです」

 ペリウィンクルは慣れた手つきで瓶からハーブを取り出すと、ポットへ入れた。
 湯を注ぐと鮮やかな赤紫色が広がり、ふわりと酸味のある香りが漂う。

「ハイビスカスとローズヒップというと、女性が好みそうな印象があるが……運動にも効果があるとは驚いたな」

 ポットの中をのぞきながら、サントリナは意外そうに言った。
 確かに、女性が好む作用は多い。ハイビスカスには脂肪の分解やシミ予防の効果があるし、ローズヒップには便秘解消の効果があるのだ。
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