愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「リコリス。あなたが動くと疑われてしまうわ。だって今、最もローズマリー様に不満を抱いているのはあなただもの。だから……私が代わりにやってあげる」
今まさに箱庭へ赴いて花を切ろうとしていたリコリスを引き留め、彼女からハサミを奪う。
錆び付いたハサミがやけに重たく感じて怯みそうになったが、トゥルシーは唇を噛んで耐えた。
そんなトゥルシーに、リコリスは「やっぱりダメよ」と悲しく笑う。
「親友にこんなこと、させられないわ。もしも見つかったら、あなたが退学処分になってしまうもの」
「大丈夫。絶対に見つからないようにするから」
「でも……」
「こんなことであなたの気持ちが落ち着くのなら、願ってもないことだわ。だから、ね? 私にやらせて」
「トゥルシー……大好きよ」
「ええ、私も大好きよ」
今まさに箱庭へ赴いて花を切ろうとしていたリコリスを引き留め、彼女からハサミを奪う。
錆び付いたハサミがやけに重たく感じて怯みそうになったが、トゥルシーは唇を噛んで耐えた。
そんなトゥルシーに、リコリスは「やっぱりダメよ」と悲しく笑う。
「親友にこんなこと、させられないわ。もしも見つかったら、あなたが退学処分になってしまうもの」
「大丈夫。絶対に見つからないようにするから」
「でも……」
「こんなことであなたの気持ちが落ち着くのなら、願ってもないことだわ。だから、ね? 私にやらせて」
「トゥルシー……大好きよ」
「ええ、私も大好きよ」