愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「さすが、春の国第一王子の婚約者というところでしょうか」
ウッドフェンスのハニーサックルがやや殺風景なのは、リコリスが切ったからだろう。
「私が切れば、リコリスの疑いは晴れるはず」
よし、と気合いを入れて、トゥルシーは箱庭へ足を踏み入れた。
リコリスに頼まれたのは、バラの株元にあるアルケミラ・モリス。
小さな星形の花が、ふんわりと群れて咲いている。黄緑色のカスミソウのようにも見えるが、さらに繊細でソフトな印象を受けた。
アルケミラ・モリスの花を茎ごと掴み、トゥルシーはハサミを向ける。
バッサリと切るつもりでハサミの刃を広げた、その時だった。
「トゥルシー嬢」
ウッドフェンスのハニーサックルがやや殺風景なのは、リコリスが切ったからだろう。
「私が切れば、リコリスの疑いは晴れるはず」
よし、と気合いを入れて、トゥルシーは箱庭へ足を踏み入れた。
リコリスに頼まれたのは、バラの株元にあるアルケミラ・モリス。
小さな星形の花が、ふんわりと群れて咲いている。黄緑色のカスミソウのようにも見えるが、さらに繊細でソフトな印象を受けた。
アルケミラ・モリスの花を茎ごと掴み、トゥルシーはハサミを向ける。
バッサリと切るつもりでハサミの刃を広げた、その時だった。
「トゥルシー嬢」