愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです！

　ペリウィンクルが得意とするのは、田舎風の庭だ。
　ハーブをたくさん植えた実用的な庭が好きで、前世でも箱庭パートではハーブガーデンを造っていた。
　通常は攻略キャラの好みに合わせた箱庭を作るものだが、前世のペリウィンクルは理想の箱庭を求めるあまり、攻略キャラ好みの箱庭を作ることはついぞなかった。
　
　妖精使いになることは、一種のステータスだ。
　特に、高位の貴族は必須だと言っても過言ではない。

　王族の場合、生まれた時に祝福しに来てくれた妖精の中から、もっとも相性の良い妖精が契約してくれる。
　王弟を祖父に持つローズマリーも、生まれた時には妖精たちが祝福に来てくれたと言う。

　祝福を受けられない貴族たちは、必死だ。
　妖精と契約できた者こそ真の貴族だとされ、平民が妖精と契約しようものなら、彼らはこぞって養子縁組をしたがった。
　ヒロインが平民であるにも関わらず次期国王であるソレルと結婚できるのは、強い力を有する妖精と契約するおかげである。

（ま、私には関係ないけどね）