愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!

第27話 悪役令嬢が攻略キャラを連れてきた

 ヴィアベルから聞いた話をローズマリーへ報告すると、彼女はさして驚きもしなかった。
 ローズマリーはペリウィンクルと違ってヒロインやトゥルシーと接する機会も多いから、おそらくもっと前から察していたのだろう。

 黙っていないで共有してくれたら良いのに、とペリウィンクルは思った。
 だが、以前にローズマリーから言われた、

『あらあら。気付いていなかったの? ペリ、あなたって……ちょっと抜けているのねぇ』

 という台詞を思い出して、口をつぐんだ。

(本当に、お嬢様にも困ったものだわ。私が万能だと思っているのだから!)

 ペリウィンクルは、ただのモブだ。
 入学前のプロローグでほんの少し喋れたらラッキーくらいの、モブ以下の存在。本来ならば、ここへ来ることも叶わない立場である。
 なぜだか前世の記憶を持ち、この世界で重宝される庭師の資格を持っているが、モブなのである。

 とはいえ、モブにも矜恃はある。
 推しに期待されたら、応えたいと思うのがオタクなのだ。
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