愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
第29話 妖精と番
妖精王の茶会。
南のガゼボで不定期に開催される妖精の茶会をそのように呼ばせているのは、学校長である。
彼は、南のガゼボを大切に思っている。
それは、南のガゼボが妖精王の持ち物だからということもあったが、それ以上に、自身の番と出会った思い出の場所を人に荒らされたくないという私情が、大いに挟まれていた。
大仰な名前をつけられているが、南のガゼボで茶会を開催するのは簡単だ。
南のガゼボに植えてあるラスターリーフの葉に、必要事項を書くだけ。
とはいえ、妖精とは気まぐれ──というか面倒くさがりな生き物である。
わざわざ予約するのも面倒だし、日程を調整するのも面倒だし、茶会の準備をするのも面倒だし、招待するのも面倒で、片付けなんて論外。
そんな手間をかける暇があったら、人と契約して茶会に招かれた方がマシだし、なんなら箱庭で蜜を飲めればそれで良いと思っている。
そういうわけだから、南のガゼボはいつだって使い放題だ。
現に、ヴィアベルがラスターリーフを確認した時も、予約は一件も入っていなかった。
南のガゼボで不定期に開催される妖精の茶会をそのように呼ばせているのは、学校長である。
彼は、南のガゼボを大切に思っている。
それは、南のガゼボが妖精王の持ち物だからということもあったが、それ以上に、自身の番と出会った思い出の場所を人に荒らされたくないという私情が、大いに挟まれていた。
大仰な名前をつけられているが、南のガゼボで茶会を開催するのは簡単だ。
南のガゼボに植えてあるラスターリーフの葉に、必要事項を書くだけ。
とはいえ、妖精とは気まぐれ──というか面倒くさがりな生き物である。
わざわざ予約するのも面倒だし、日程を調整するのも面倒だし、茶会の準備をするのも面倒だし、招待するのも面倒で、片付けなんて論外。
そんな手間をかける暇があったら、人と契約して茶会に招かれた方がマシだし、なんなら箱庭で蜜を飲めればそれで良いと思っている。
そういうわけだから、南のガゼボはいつだって使い放題だ。
現に、ヴィアベルがラスターリーフを確認した時も、予約は一件も入っていなかった。