愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
5章

第37話 恐怖のミントテロ

 卒業まで残り三カ月。
 生徒たちは、卒業試験が言い渡された。

誕生花(ネサンス・フラワー)に蕾をつけること』

 これが、彼女たちに課せられた試験である。

 与えられた誕生花の種は、妖精と契約者の手によって三カ月間大事に育てられる。
 蕾をつけられたら卒業。つけられなければ、契約解除。
 授業をきちんと受けていれば、よほどのことがない限り卒業できる内容となっている。

 誕生花というと生まれた日に因んだ花と思いがちだが、そうではない。
 誕生花はその名の通り、誕生するために必要な花である。

 ぷっくりとした大きな蕾は、妖精の子を育むベッド──人に置き換えるなら母の胎のような役割を持っている。
 妖精とその契約者によって育てられた誕生花は、然るべき手段によって世界のどこかへ妖精魔法で転送され、転送された先で何かしらを起因にして妖精を生むのだ。
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