愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「もしもそんな存在が生まれたら、どうなるのでしょうか?」

「さぁ、どうなのかしら。そこまでは説明されなかったわ。絶対に水以外を与えるなと言われただけだから」

「……そうですか」

 ペリウィンクルは、水を与えてはいけないモフモフのモンスターを思い出した。
 前世では架空の生き物として描かれていたはずだが、この世界ならいてもおかしくない気がする。

「それよりも! わたくし、自分なりにせっせとリコリス様に意地悪をしているのだけれど、ちっとも悪評が立たないの。なぜかしら?」

 これではソレルに嫌われないと、困り顔でコテンと首を傾げるローズマリーはかわいい。抱きしめて頬擦りしたいほどだ。
 だけど、ペリウィンクルは知っている。彼女の言う意地悪が、世に言う意地悪になっていないことを。

「なぜ、ですか……?」
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