愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「あれ。お嬢様、何かありました?」

 卒業試験である誕生花の種の世話をするのだと言って引きこもっていたはずだけど、とペリウィンクルは壁の時計をちらりと一瞥した。
 お茶の時間にしてはまだ早い時間帯で、どうしたのだろうと首を傾げる。

「あの……ちょっと、確認したいことがあるのだけれど……今、良いかしら?」

「ええ、構いませんよ」

 廃棄したばかりのプレゼントを、ローズマリーの視界から消すようにギュッとゴミ箱の奥底へ押しやる。
 ペリウィンクルはエプロンで手を拭いながら、ローズマリーの自室へ向かった。

 ペリウィンクルが部屋に入ると、ローズマリーは自室のソファへ腰掛けながら、テーブルの上に置いた一枚のカードを凝視していた。

「どうしたんですか、ローズマリーお嬢様」

 果たして、テーブルの上に置かれたカードはペリウィンクルが見て良いものなのだろうか。
 さりげなくカードから視線を外しながらペリウィンクルが問いかけると、ローズマリーは膝の上に置いていた手でギュッとドレスを握った。
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