愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです！

第39話 すれ違い

「どうしてこうなっちゃったのかな……」

　自室のベッドへ寝転がり、ペリウィンクルは枕を抱きしめた。

　ペリウィンクルの言葉は、聞いてもらえないまま。
　一晩経ったら少しは落ち着くかと希望を持って朝起きてみたら、既に学校へ行ってしまった後だった。

「もう丸一日、顔を見ていない」

　専属庭師になってから、こんなことは初めてだ。
　どうしてこんなことになったのか。
　答えは簡単だ。妖精王の茶会の招待状──つまり、ヴィアベルが原因である。

「私に確認もしないで、お嬢様とソレル殿下を妖精王の茶会に招待なんかして。もう、もう、もう！」

　持っていた枕をベッドへ叩きつけ、ペリウィンクルは怒る。
　何度か叩いていたら枕は手からすっぽ抜け、そのままポーンと部屋の隅へ飛んでいってしまった。