愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「悪かった。妖精王の茶会は中止にしよう」

 普段の彼からは想像もできないぎこちない顔で微笑まれて、ペリウィンクルは黙った。

(なんで、そんな顔をしているの?)

 まるで、笑い方を忘れてしまったみたいだ。それとも、笑いたくないのに無理に笑っているのか。どちらにしても、あまり良いようには思えない。

(傷つけてしまった?)

 あるかなしかの笑みを浮かべて、何事も平然と受け流しているヴィアベルが、傷つくなんて思いもしなかった。

 いや、違う。
 ペリウィンクルは彼が傷つけば良いと思っていなかったか。
 だから、あえてひどい言葉を選んだのでは。

 おそらく、ペリウィンクルは知りたかったのだ。
 どこまでなら、ヴィアベルが許してくれるのか。
< 266 / 322 >

この作品をシェア

pagetop