愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「違う。そうじゃない」

 ペリウィンクルは確かにベッドへ横になっていたが、寝ていたわけではない。

「ベッドで寝ていたら何かに襲われて……それで……」

 どうして忘れていられたのだろう。
 思い出すだけで身震いしてしまうほどの恐怖。
 おぞましい。
 まさにその言葉にぴったりの生き物だった。

「ええ、そうです」

 訳知り顔で頷くスヴェートに、ペリウィンクルは慎重に問いかけた。

「あれは、なに?」
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