愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!

第42話 庭師の覚悟

 スヴェートがすべてを告白し終えた時、ペリウィンクルはぐったりしていた。
 愛らしいウサギが目の前でちょこんと立っているにも関わらず、抱きしめる気も起きない。
 かわいいものがすぐそこにあってもときめかない時があるのだと、ペリウィンクルは他人事のように思った。

「夢だと思ってた……」

「ええ、そうでしょうとも。わたしがそう思うように仕向けたのですから、当然です。でも、ご安心ください! あの時のお約束は、きっちり守りましたよ!」

 エッヘンと胸を張って言われて、どう反応しろというのか。

(ああ、ぶん殴りたい)

 あの時の約束──ヒロインがソレルとくっつくように誘導すること──は確かに守られたが、その代償はあまりにも大きすぎる。

(だって、だって、だって! 私とヴィアベルの命だなんて、そんなのアリ⁉︎ そもそも、ヒロインとソレル殿下をくっつけるのは、栄養剤の見返りのはずだったでしょおぉぉぉ!)
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