愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
第44話 庭師の答え
場の空気を乱すような、吐息が聞こえる。
途端に二人の間に流れていた甘い空気が散り、ペリウィンクルはパチリと目を開けた。
立ち上がったヴィアベルが、ズンズンと歩いていく。
それからうっとりと蜂蜜色の目を細めていたウサギの耳を掴み上げた。
「やめてくださいよ。わたし、邪魔しないでお利口にしていたでしょう? あなたたちがキスできるように、結界まではってあげていたのに。ウサギは耳を掴んじゃいけないのですよ! いーけないんだ、いけないんだ! 妖精王に言っちゃおう!」
ジタバタ暴れるスヴェートの耳を容赦なく掴みながら、ヴィアベルは不機嫌そうだ。
眉間の間には深いシワが刻まれ、目が怒りで爛々としている。
「その妖精王が私を呼んだのだ。スヴェートを連れて来いとな。初めての契約者に浮かれ、挙げ句に名もなき生き物を生むとは何事か。しかもよりにもよって私の番を危険に晒すなど、言語道断。妖精王は、おまえとリコリスを名もなき生き物への生贄にせよと仰せだ」
「そ、そんなぁ!」
途端に二人の間に流れていた甘い空気が散り、ペリウィンクルはパチリと目を開けた。
立ち上がったヴィアベルが、ズンズンと歩いていく。
それからうっとりと蜂蜜色の目を細めていたウサギの耳を掴み上げた。
「やめてくださいよ。わたし、邪魔しないでお利口にしていたでしょう? あなたたちがキスできるように、結界まではってあげていたのに。ウサギは耳を掴んじゃいけないのですよ! いーけないんだ、いけないんだ! 妖精王に言っちゃおう!」
ジタバタ暴れるスヴェートの耳を容赦なく掴みながら、ヴィアベルは不機嫌そうだ。
眉間の間には深いシワが刻まれ、目が怒りで爛々としている。
「その妖精王が私を呼んだのだ。スヴェートを連れて来いとな。初めての契約者に浮かれ、挙げ句に名もなき生き物を生むとは何事か。しかもよりにもよって私の番を危険に晒すなど、言語道断。妖精王は、おまえとリコリスを名もなき生き物への生贄にせよと仰せだ」
「そ、そんなぁ!」