愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
ヴィアベルは険しい顔をペリウィンクルへ向けてきた。
妖精王の命令を背くことが何を意味するのか、ペリウィンクルにはわからない。
だが、それは決して軽いものでないことは確かだろう。
ヴィアベルはわずかに逡巡したようだったが、諦めるようにため息を吐いた。
それからいつもの、ペリウィンクルを許す時の苦い笑みを浮かべる。
「仕方のないやつだな」
「できる、の?」
「おまえが中央の国へ留まること。そして、毎週木曜日に行われる妖精女王の茶会で手作りの菓子を提供すること。それが条件だそうだ。王はゴネたが、女王が許可を出した」
無邪気に「リコリスとスヴェートを生贄にしよう!」と言い放った妖精王に、しかし妖精の女王は待ったをかけたらしい。
女王は恋をする妖精に寛容だ。そして、噂話が大好きでもある。
ペリウィンクルがローズマリーを応援していることも、ヴィアベルがペリウィンクルと仲違いしたことも承知の上で、それを提案したのだろう。
妖精王の命令を背くことが何を意味するのか、ペリウィンクルにはわからない。
だが、それは決して軽いものでないことは確かだろう。
ヴィアベルはわずかに逡巡したようだったが、諦めるようにため息を吐いた。
それからいつもの、ペリウィンクルを許す時の苦い笑みを浮かべる。
「仕方のないやつだな」
「できる、の?」
「おまえが中央の国へ留まること。そして、毎週木曜日に行われる妖精女王の茶会で手作りの菓子を提供すること。それが条件だそうだ。王はゴネたが、女王が許可を出した」
無邪気に「リコリスとスヴェートを生贄にしよう!」と言い放った妖精王に、しかし妖精の女王は待ったをかけたらしい。
女王は恋をする妖精に寛容だ。そして、噂話が大好きでもある。
ペリウィンクルがローズマリーを応援していることも、ヴィアベルがペリウィンクルと仲違いしたことも承知の上で、それを提案したのだろう。