愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
 ペリウィンクルの決断を、人は笑うかもしれない。馬鹿にするかもしれない。

(でも、ヒロインが暴走しちゃったのは私が一因とも言えなくもないわけですし?)

 正義のヒーローぶっているが、結局のところ、ペリウィンクルはヴィアベルさえいれば良いのだ。

 目を開けて、ヴィアベルを見据える。
 睨むように見つめてからふっと表情を和らげた彼女は、穏やかな笑みを浮かべてヴィアベルへ告げた。

「ヴィアベルはずっと一緒にいてくれるんでしょ? それなら、いいよ」

 朗らかに笑う彼女に、迷いは見えない。
 ヴィアベルは「そうか」と安心したように微笑み返した。
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