愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
「……ママを出してあげたいの?」

 ペリウィンクルが問いかけると、名もなき生き物はコクコクと頷いた。
 きっと頭の中はママがいないことでいっぱいなのだろう。
 ペリウィンクルを食べようとしていたことなんて、すっかり忘れてしまっている。

「ウ゛ン゛」

「手伝って、あげようか?」

「デギル゛ノ?」

「ちょっと苦しいかもしれないけど……できると思う」

「ジャア、ヤッテヨォ」

 ヴィアベルの腕の中から、ペリウィンクルは抜け出した。
 しかし、ヴィアベルに引き戻される。
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