愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!

第47話 茶番の終わり

「お言葉ですが」

 ローズマリーの声が朗々と響く。
 かわいい顔を今日は凛々しく引き締めて、彼女は言った。

「わたくしたちの婚約は、すでに春の国の国王の権限により、破棄されております。ですから、あなた様がリコリス様を妻に迎えようと、わたくしには関係のないことでございます」

「え」

 とは、リコリスの口から漏れた声である。
 言われた本人であるソレルは顔から色をなくして、青空のような色をしていた目を絶望色に染めた。

「それから……国王陛下よりご伝言ですわ。王位継承権を第一位から第二位へ移す、と。現時点で、次期国王は弟君になりました」

「は」
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