愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
第13話 茶会の効果
「何がどうなったら、ああなるのかしら。ねぇ、ペリ。あなたは、何か知っている?」
三日月の夜の茶会から数日後のことだった。
一緒に箱庭の手入れをしていたペリウィンクルに、ローズマリーは心底不思議そうな顔をしてそう言った。
ローズマリーが切り取ったバラのトゲを、手作業でひとつひとつ丁寧に取り除いていたペリウィンクルは、彼女が目をまん丸にして見ている先へ目を向けた。
二人の視線の先で、シナモンを見つけたセリが、彼に向かって駆けていく。
着物のような煌びやかな生地のドレスの裾が足を動かすたびにヒラヒラと揺れて、まるで蝶の羽のようだ。
思わずため息を吐いてしまうくらいに、セリは綺麗だった。
臆病で弱々しい令嬢は、もうそこにいない。
「シナモン!」
「わぁ、セリ! 走ったら危ないよ?」
「大丈夫よ。シナモンが抱きとめてくれるから!」
三日月の夜の茶会から数日後のことだった。
一緒に箱庭の手入れをしていたペリウィンクルに、ローズマリーは心底不思議そうな顔をしてそう言った。
ローズマリーが切り取ったバラのトゲを、手作業でひとつひとつ丁寧に取り除いていたペリウィンクルは、彼女が目をまん丸にして見ている先へ目を向けた。
二人の視線の先で、シナモンを見つけたセリが、彼に向かって駆けていく。
着物のような煌びやかな生地のドレスの裾が足を動かすたびにヒラヒラと揺れて、まるで蝶の羽のようだ。
思わずため息を吐いてしまうくらいに、セリは綺麗だった。
臆病で弱々しい令嬢は、もうそこにいない。
「シナモン!」
「わぁ、セリ! 走ったら危ないよ?」
「大丈夫よ。シナモンが抱きとめてくれるから!」