愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
 どうしてそんな反応をするのかわからず、ペリウィンクルは戸惑いながら答える。
 ローズマリーは目をキラキラさせて、感極まったように唇を震わせた。

「うそ……わぁぁ! すごいわ、ペリ。あなた、南のガゼボに入れるの?」

「え……?」

「この学校の南にある庭は、妖精王の持ち物なのよ。だから、彼が招待した人でないと入れないの」

「妖精王? いやいやまさか、そんなはずはないですよ」

 そんな偉い立場の妖精は知らないと言うペリウィンクルに、ローズマリーは「でも」とキラキラした目で見つめてくる。

「入学の時のオリエンテーションでそう習ったわ。だから、間違いないはずよ」

 学校長自ら説明していたと言われても、ペリウィンクルは本当に、妖精王なんて知らない。
 彼女が知っている妖精は、祖父と契約し、育ての親のように思っているヴィアベルだけだ。
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