愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
第16話 ヒロインの噂②
ローズマリーの箱庭でせっせと水やりをしていたペリウィンクルは、淡い橙色の花を咲かせているハニーサックルがいくつか切り取られているのを見つけて、目を見開いた。
持っていたジョウロを脇へ置き、切られた蔦を手に取ってしげしげと見る。
千切ったようには見えない。しかし、ハサミにしては雑な切り口。
きちんと手入れのされていないハサミで切られたのかもしれない、そんな切り口だ。
「まただ……! 一体誰が、こんなことを?」
切り取られるのはいつも、ハニーサックルばかりだ。
ハニーサックルの蜜は、妖精たちのお気に入りなのに。どうしてくれよう。
一輪二輪ならまだ我慢できる。良くはないけれど。
しかし、ウッドフェンスの一角がポッカリ空くほどはやりすぎである。
ここ最近は花の蜜が少なくなったせいか、お茶会に来る妖精たちの数が減り気味だ。
せっかく用意した妖精用の小さなティーセットが使われないのを見ると、悲しい気持ちになってくる。
持っていたジョウロを脇へ置き、切られた蔦を手に取ってしげしげと見る。
千切ったようには見えない。しかし、ハサミにしては雑な切り口。
きちんと手入れのされていないハサミで切られたのかもしれない、そんな切り口だ。
「まただ……! 一体誰が、こんなことを?」
切り取られるのはいつも、ハニーサックルばかりだ。
ハニーサックルの蜜は、妖精たちのお気に入りなのに。どうしてくれよう。
一輪二輪ならまだ我慢できる。良くはないけれど。
しかし、ウッドフェンスの一角がポッカリ空くほどはやりすぎである。
ここ最近は花の蜜が少なくなったせいか、お茶会に来る妖精たちの数が減り気味だ。
せっかく用意した妖精用の小さなティーセットが使われないのを見ると、悲しい気持ちになってくる。