愛され庭師は悪役令嬢に巻き込まれ……いえ、今世こそ幸せにしてあげたいです!
その時ふと、先日聞いた話が頭をよぎった。
『虹色の髪の娘だがな、今度はニゲラを追いかけ回しているそうだぞ。手に入れたシナモンを早々に放って次の男とは、随分な尻軽のようだ。まさか、おまえはそんなことをしないだろうな?』
とは、なんだかんだ噂好きなヴィアベルの言葉である。
次のターゲットはニゲラかとゲンナリするペリウィンクルに、ヴィアベルはしつこく「違うよな⁈」と聞いてきたが、考え事に夢中になっている彼女は適当に答えたので、何と言ったのか覚えていない。
とはいえ、その後もヴィアベルは語って聞かせてくれたから、ペリウィンクルの答えに満足したのだろう。
彼曰く、リコリスはそこかしこでトレーニングに励むニゲラの前へ現れては、タオルと一緒に花を贈っているらしい。
『ニゲラらしくもない甘い匂いのする花を贈るものだから、彼の妖精が閉口していた』
ニゲラの妖精は、黒スグリに猫耳がついたような姿をしている。
近くを通ると独特のスパイシーな香りが漂う、ブラックペッパーの妖精だった。
話を聞いたとき、それなら甘いものは苦手だよねと納得したものだ。
『虹色の髪の娘だがな、今度はニゲラを追いかけ回しているそうだぞ。手に入れたシナモンを早々に放って次の男とは、随分な尻軽のようだ。まさか、おまえはそんなことをしないだろうな?』
とは、なんだかんだ噂好きなヴィアベルの言葉である。
次のターゲットはニゲラかとゲンナリするペリウィンクルに、ヴィアベルはしつこく「違うよな⁈」と聞いてきたが、考え事に夢中になっている彼女は適当に答えたので、何と言ったのか覚えていない。
とはいえ、その後もヴィアベルは語って聞かせてくれたから、ペリウィンクルの答えに満足したのだろう。
彼曰く、リコリスはそこかしこでトレーニングに励むニゲラの前へ現れては、タオルと一緒に花を贈っているらしい。
『ニゲラらしくもない甘い匂いのする花を贈るものだから、彼の妖精が閉口していた』
ニゲラの妖精は、黒スグリに猫耳がついたような姿をしている。
近くを通ると独特のスパイシーな香りが漂う、ブラックペッパーの妖精だった。
話を聞いたとき、それなら甘いものは苦手だよねと納得したものだ。