聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!


「ありがとうございます…!嬉しい。」


――まさか、プレゼントを貰えるなんて思ってなかったからびっくり。


美桜は空いた方の手で紙袋を受け取ると、夏樹に笑いかけた。


すると、夏樹は慌てて美桜から視線を逸し「…で?レースちゃんが言う聖人君子な男って誰なの?」と尋ねてきた。


「あ、その話でしたね…。」


美桜が思い出したようにそう言うと、夏樹は美桜を見つめた。


「その聖人君子に、プレゼント貰ったり、手繋いだり、したことあるの?レースちゃん、そいつのこと好きなの?」


「えぇっとぉ…」

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