聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!


美桜が更に真っ赤になったのを見て、夏樹はニヤッと笑い「今日はりんごちゃんだな。」と言った。


「もう!あだ名はいいからっ!彼氏…からは…呼び捨てされると、嬉しい…です…。」


美桜が俯きながらそう言うと、夏樹は美桜を見下ろして言った。


「じゃあ『美桜』。好きだよ。」


不意打ちの「好きだよ」と、呼び捨ての相乗効果で、美桜の顔は更に真っ赤になる。


「可愛い〜。やべ〜、理性飛びそ〜。ねぇ、やっぱキスしていい?もちろん、深い方の。」


「もー、そーいうとこ!!やっぱり堀越先輩、チャラいっ!」


「…夏樹」


「はい!?」

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