聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!


「今度、試合があるから観に来てよ。ついでに手伝いするってくらいの感覚でいいからさ。マネージャーの仕事は大変だけど、皆のプレーはマジで勢いあって見応えあるから、それ観るだけでも楽しめると思う!」


なっ?と言って爽やかに笑う相良の表情に、菜々は呆気なくやられてしまった。


その週末には、さっそく試合を観に、会場へ足を運んでいた。


サッカーの試合を観戦することなんて、体育の授業くらいでしか経験ないが、そんなものとは比べ物にならないくらいのプレーレベルの高さに、美桜は圧倒された。


真剣な表情でボールを追う選手たち。


ボールを取り合うその勢いのまま、ぶつかったり、倒れたりする選手もいた。


そんな中、相良は一層キラキラ輝いて見えた。


気付いたら相良を目で追っている。

< 162 / 305 >

この作品をシェア

pagetop