聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!


部室を出る頃にはすっかり日が暮れていた。


相良が駅まで送ると言ってくれたので、二人並んで学校を出た。


最近、日が沈むまでの時間が長い。
もう19時過ぎなのに、あたりは太陽の光を受け、まだ明るかった。


「来週から夏休みだなー!橋本は、何か予定あるの?」


駅に向かって歩きながら、相良が菜々に尋ねる。


「んー、今のところ部活の合宿くらいかな?早速来週末にあるね!楽しみ。」


「俺も楽しみ!1泊2日かあ。きっついだろうけど絶対楽しいよなー。近くに川もあるらしいから、2日目のバーベキューの時に魚釣れたら焼いて食べようぜって、この前みんなで話してたよ!」


「魚釣り楽しそう!相良君、普段は釣りするの?」


「まぁたまにな。友達と遊び程度で。橋本も合宿の時にやってみる?俺、教えるよ。」


「うんうん!教えて。やってみたい!」

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