聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!


「ななちーん!相良君も!部活帰り?」


「うん、そうだよ。」


「そっかー!おつかれ。相良君も電車通学だったっけ?」


「いや、俺はちょうど帰り道こっちなだけ。」


「そっか!じゃあななちん、次の電車で一緒に帰ろうよ。」


「え、いいの?堀越先輩は?」


菜々がそう尋ねると、夏樹は「大丈夫、俺も美桜を駅まで送りに来ただけだし。」と美桜の代わりに答えた。


相良は、夏樹と目が合うと、ペコっとお辞儀をし、その後菜々に目を向けた。


「じゃあ、俺んちあっちだから。」


駅の脇の道を指差しながら相良が言った。
また明日な、と言って軽く手を上げる相良を、3人で見送る。

「送ってくれてありがと!また明日ね。」
「相良くん、またー!」


菜々と美桜の声が重なる。


「おう。また明日な。堀越先輩、失礼します。」


そう言ってまた夏樹に向かってお辞儀をした相良は、3人に軽く手を振りながら帰っていった。

< 173 / 305 >

この作品をシェア

pagetop