聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!


「ごめんな、2人を見つけるのが遅くなって。絡まれて、嫌な思いしたよな?」


「いえいえ、そんな!ありがとうございました。ちょっと嫌だったけど、あんまりしつこくなくてよかったです。」


菜々は慌てて矢嶋をフォローする。


慌てる菜々を見て、矢嶋はフッと笑った。
そして、少し頬が赤くなったかと思うと、頬から口元にかけて片手で覆ってから、呟いた。


「まぁ…確かに、ぱっと目につくくらい、可愛いからな…橋本ちゃんは。」


「へ!?」


先程の美桜に負けないくらいのスピードで真っ赤になった菜々。


そんな菜々をチラッと見ると、照れ隠しなのか、矢嶋は少し目を逸らした。


そしてそのまま話題を変える。

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