聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
「矢嶋先輩、一緒にまわるのが私なんかでいいんですか?いくら堀越先輩と仲いいからって、友達の彼女の友達って…」
「俺は、橋本ちゃんと一緒にまわりたいんだけど、橋本ちゃんは嫌?」
矢嶋にじっと見つめられ、菜々の心拍数が上がった。
「嫌じゃ…ないです。楽しい。」
菜々は目を合わせるのが恥しくなり、思わず俯いて言った。
そんな菜々を見て、矢嶋はフッと、柔らかく微笑む。
「それなら、気にすることないよ。俺も、橋本ちゃんといるの、楽しいし。一緒に楽しも。」