聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
「おーい、お前ら!さっさと乗らんかー」
顧問の森田先生が、かったるそうに声を掛け、片方のバスに乗り込もうとした。
「ちょ、モリセン!こっちじゃなくてあっちに…」
「いやいや、そっちでお願いします!橋本ちゃんと神崎こっちで…」
「いーかげんにせんか!乗るぞ!!」
結局、モリセンが折れて、途中のパーキングエリアでマネージャー2人がモリセンと交代でもう一台のバスに乗り換えるという謎の交換条件がついた。
菜々はひとまず、神崎と一緒のバスに乗ることを許された。
そして、無事に定刻通り、バスは学校を出発した。