聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!


「橋本ちゃん!」


声を掛けられ、振り向くと、神崎が手を上げてこちらに歩いてきていた。


「先輩!もう大丈夫ですか?すみません、星原先輩が、神崎先輩と話したいことがあるって言ってたので、私、一緒に居れなくて…」


菜々が謝ると、神崎は「うん!大丈夫!」と元気に答えてくれた。


本当に大丈夫そうな様子に、菜々はホッと胸をなでおろす。


「ちゃんと話したよ。星原先輩と。思ってること全部言えて、すっきり!」



「そうですか。それなら、よかったです。」


「ありがとう。で、やっぱり付き合うのはやめておこうってことになったよ。先輩のことは好きだけど、私は今、付き合いたいと思ってないからね。」


「そう…ですか。」

< 226 / 305 >

この作品をシェア

pagetop