聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
2 受け入れがたい真実
先週のテストが返却されてきた。
結果はというと………
「……まずい。」
非常にまずい。既に赤点ギリギリの点数だ。
確かに高校入試は、かなり気合いを入れて勉強した結果、奇跡的に合格をもらえたと言っても過言ではない。
……が、こんなに点がとれないのはさすがにまずい。
「美桜ー!今日、4人でカラオケ行かない!?」
里帆が元気よく誘ってきてくれた。
――くぅ、い、行きたい。けど…
さすがにこんな点数を取ってしまった後は勉強しないと気が済まない。
「あー、えっとごめんね。今日は用事があって。3人で行っておいでよ。」
「えぇ、そうなの!?」
「残念!」
「また今度、一緒に行こうね!」
里帆、芽唯、菜々の3人はそう言うと、美桜に手を振りながら教室を出ていった。
――あー、行きたかったなカラオケ。
そう思いながら、美桜はとぼとぼと図書室へ向かった。
図書室には自習スペースがある。が、混雑している時もあるので、座れる場所があるかどうかが心配だ。