聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
「さて!今度は、ななちんの番ね。私が髪のセットするよ。」
「ありがとう!お願いします。」
美桜は「まかせて〜」というと、菜々の後ろに回る。
「矢嶋先輩に、また可愛いって言ってもらえるといいねぇ。」
鏡越しに菜々顔を見た美桜の顔は、ニヤニヤしている。
「う、うん…」
菜々は、恥ずかしくなり、俯きながら答えた。
「ななちんはさ、矢嶋先輩のこと、どう思ってるの?」
「え?」
「ほら!だっていつも気にかけてくれるし、優しいじゃん。まぁ相良君もそうだけど…」
そう言って、美桜はハッとなって慌てた。
「ごめん、蒸し返すようなこと…」
「ううん、いいよ。」
菜々は少し微笑みながら返した。