聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!

そして季節は過ぎ、あっという間に冬になった。


街中に出ると、世の中は、すっかりクリスマスムードだ。


菜々達、仲良し4人組は、クリスマスにパーティーをしようということになり、4人で交換するプレゼントを買いに、ショッピングに来ていた。


「何にしようかなー?せっかくなら面白いものにしようかな?」


ニシシッと笑い、何かを企んでいるような様子の里帆に、芽唯が注意する。


「ちょっと、あんまり変なの買うのはやめてよー?使い道に困るプレゼント程、迷惑なものはないんだから。」


「分かってるってー。」


「美桜は、堀越先輩に何か買わなくていいの?」


「うん。実はもう買ったんだ。手袋にしたよ。」


「お!そういう実用的なやつ、いいねぇ。」


3人がそんな会話をしている傍ら、菜々はうーんと唸って悩んでいた。


「菜々、決まりそう?」


近くにいた芽唯が、菜々の顔を覗き込む。


「うーん、悩んじゃって、全然決まらないよー。私、ちょっとあっちのコーナー見てくるね。」


そう言うと、一旦3人のもとから離れ、店の奥の方を見に行った。


すると、ガラス越しに、向かい側にある男性服の店の中がちょうど見えた。


そして、そこに立っているのは―

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