聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!

「…菜々、大丈夫?」


「ななちん…?」


気付いたら、友人3人が菜々の顔を心配そうに見ていた。


菜々は慌てて手を振る。


「大丈夫、大丈夫!私、相良君に対する気持ちは、憧れに近いものだって気付いたから。へーきだよ!」


「そうなの?」


「うん!前に里帆ちゃんと一緒に帰った時に、里帆ちゃんから話を聞いて気付いたの。」


「え!?私?」


驚く里帆に、菜々はコクッと頷いた。


「ほら、加治先輩のこと、アイドルみたいな憧れの存在って言ってたでしょ?」


「あー!言ったねぇ。」


「それで気付いたの。私も、相良君のこと憧れの存在として好きだったんだなって。俳優のハルミチにも似てるし。」


「確かに!似てる!」


「そっかぁ、憧れの好き、ねぇ。」


芽唯と里帆が、うんうんと頷く横で、美桜がこっそり菜々に尋ねた。

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