聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
――怖いわぁ、みなみ先輩…。私が堀越先輩と一緒にいたのがよっぽど嫌だったのね…。
帰り道を1人歩きながら、美桜はみなみのことを思い出していた。
――『また』送らないといけないって堀越先輩が言ってた。てことは、いつもみなみ先輩と一緒に帰ってるってことだよね?
部活の後に図書室にわざわざ寄ったというのも、夏樹の行動を把握してないとできないこと。
もしかしたら、夏樹の方もみなみの部活が終わるのを待っていたのかもしれない。
――美男美女カップルだなぁ。2人、お似合いだよね…。私なんかじゃ…
……ん?
美桜は一人で顔を真っ赤にさせ、頭を振った。
――いやいや、私は堀越先輩みたいなチャラい人じゃなくて、知的で真面目で優しい彼氏を作るんだ!!レースちゃんなんてあだ名をつけるような人はお断りよ!!
心の中で決意を固めた美桜は、家までの道をズンズン歩いた。
気合い充分!
気持ちを切り替えて、いい人見つけよう。