聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
「じゃあまた金曜日。今度はホームルーム後に、この駅の改札あたりに集合な。今度は桃が入った甘いものでも一緒に食べに行こうぜ。奢るからさ。」
そう言うと、夏樹は美桜の返事を待たずに手を挙げて帰って行った。
――今、何が起きたの?
夏樹の後ろ姿を見送りながら、美桜は呆然としていた。
――金曜日、ホームルーム後、一緒に甘いものを食べに行く!?堀越先輩と??二人っきりで??これって…
――世間一般的にはデートというのでは…
美桜は展開についていけず、呆然としながらひとまず改札をくぐって帰宅した。