聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
3 デートすることになりました
「えぇ!?」
次の日の昼時。
学校の中庭の隅で弁当を広げ、美桜は菜々、里帆、芽唯に昨日あった出来事を話していた。
「ちょっとー!もうデートの約束!?展開早すぎじゃない!?」
「美桜が早くも彼氏持ちかぁ。ありがとう、先陣切ってくれて!うちらも頑張る!!」
盛り上がる里帆と芽唯を、美桜はなんとか鎮めようとした。
「いやいや、彼氏持ちって、話早すぎ!!それに、あっちはデートの自覚ないかもだし!話したいことがあるだけみたいだし!!」
「えー?でも2人きりなんでしょ?」
里帆と芽唯が身を乗り出して確認してきた。
「まぁ…そうね、たぶん。」
美桜がそう言うと、里帆と芽唯の2人は顔を見合わせた後に「きゃー!」と言いながら、2人揃って後ろに仰け反った。
菜々は2人の様子を見ながら「息ぴったり」と言って笑っている。そして美桜の方へ体を向けて質問した。
「美桜ちゃんは堀越先輩のこと、どう思ってるの?デリカシーないって言ってたけど…」
その言葉を聞き、美桜は大きく頷きながら「そこなのよ!」と言った。