聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
「あのさ、美桜。聖人君子な男なんて、ホントにいると思ってんの?てか、美桜が思う聖人君子ってどんな人?」
「えっと、頭良くて人望があって、誠実で優しい…イケメン?」
「イケメンと聖人君子は関係ないでしょうが。ってか、そんな完璧な男なんてこの世にいないからね!!」
芽唯はピシャリとそう言うと美桜は「えー、わかんないじゃん、そんなのー」とイジケたように言った。
そんな美桜の反応を見て、里帆も厳しい言葉を投げた。
「ちょっと!そんな夢みたいなこと言ってたら、いつまでも彼氏できないよー?そんなに乗り気じゃないんなら、私が代わりに堀越先輩との放課後デートに行ってあげるけど?」
「いや、大丈夫です。そこは私が行きます、すみませんでした。」
美桜がそう謝ると、里帆は「それでよし!」と笑いながら言った。
「じゃあ金曜日!先輩との放課後デートで、恋に発展しますよーに!!」
胸の前で手を握りしめて祈るようなポーズをしてニヤニヤしている3人の前で、美桜は縮こまりながら「が、頑張りまーす」と返事をした。