聖人君子のお兄ちゃんが、チャラ男になったなんて聞いてません!
「ななちん、明日の放課後、空いてる?」
「うん、空いてるよー。なんで?」
菜々は自販機で買った紙パックのカフェオレにストローを差しながら尋ねてきた。
「えっとね、マック行かない?ちょっとだけ勉強教えてほしくて。」
「え?それなら今からでもいい――」
「違うの!明日がいいの!心の準備ができてないからっ」
「勉強教えてもらうのに、心の準備がいるの?」
菜々はストローから口を離してそうツッコみながら笑った。
「とりあえずオッケーだよ。マックいこっか。あ、里帆ちゃん達は――」
「えっとね!明日はななちんと2人がいいの。ほら、昔からの友達として――」