麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑦/危険色の進路決す!

第1部/ファーストレジェンド ー第28章/次なる視界ー

絶叫、そして契り/その1
麻衣



珍しいなあ…

撲殺人さんが食事に誘ってくれるなんて

ということで、今、倉橋さん行きつけの焼肉屋さんに着いた


...


私たち二人は、奥の個室に案内されてね

鉄板を挟んで腰を下ろし、ポロシャツ姿の彼と向き合った

「今日はどうしたんですか?私、誕生日でもないですよ」

「はは…、まあ、頭の包帯も取れた訳だし、一区切りついたんだ。ご苦労さん会ってことでやろうや」

二人でご苦労さん会か…

ふふっ…、そうね

このタイミングで倉橋さんとはこういうリラックスした場で、二人っきりで過ごすのもいいわね


...


ラフな格好でサングラスを外した倉橋さんとは、取り留めのない会話でお互いケタケタ笑ってさ…

何て楽しいひと時なんだろうか…

「さあ、遠慮なくどんどん食ってくれ。ここで精をつけとかないとさ…」

倉橋さん、ひょっとして…

私は意識してモードチェンジを彼に計ってみた

目でね…

そしたら…

「…昨日、剣崎さんからはいろいろ聞いたよ。会長が見初めた二人目の子…、ああ、名前はケイコちゃんだったかな…。彼女と麻衣ちゃんの今後のまあ、扱いというか…、方針をね」

そうか…、剣崎さんとは、もうそういう話をしてたのね


...


「へー、会長さんがそんなことをね…。でも私、嬉しいわ。これからも倉橋さんがそばについててくれるんなら。引き続き、よろしくお願いしますね」

私はハシをおいて、ペコンと頭を下げた

「ハハハ…。剣崎さんは麻衣ちゃんがまた何しでかすかわからないから、君には俺しかってことだ。あっちの子には能勢がメインで着くことになるよ」

「ああ、能勢さんなら適任だわ。横田って子、ハンパない奴だけど、普段は礼儀正しくて真面目だから」

「真面目か…」

やっぱり、この人もそんな子がなぜ?…ってとこなんだろう

当然よね


...



「…それで、骨折させた南玉連合のトップの子とはいつなんだい?」

うーん、倉橋さん、今日はこの件か…

焼肉を口にほお張りながらだったから表情はうかがえなかったけど、微妙に最初と口調も変わったし…

「明後日、行ってきます」

「そうか…」

ここで倉橋さんは顔を上げ、ちょっと意味ありげな目つきで、しばらく私を見つめてた…






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