麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑦/危険色の進路決す!
絶叫、そして契り/その12
麻衣
「…麻衣!!大丈夫?」
「麻衣さん!麻衣さん…!!」
「麻衣…、今、大黒病院に向かってるからね。辛抱するんだよ。…あんたたち、麻衣のこの姿、しっかり目に焼き付けなさい!」
「はい…」
私の時間は、今だ激痛に支配され続けている
だが、仲間たちの声はしっかり耳に届いていた
心にも…
...
病院に着いて手当をしてもらったあとは、だいぶ落ち着いた
今のところ激痛は若干収まって、少しづつ頭の中でも整理がついてきた
私は一階の待合の長椅子で横になってた
アンコウ先輩は車でここまで私を搬送してくれた後、久美と静美を送りかえして、その後また戻ってきてくれるらしい
左手に巻かれた包帯の上から右手を添え、目をつぶって仰向けになってると、私を呼ぶ声があった
「麻衣…!」
「祥子、真樹子さん!」
二人が駆け付けてくれたわ
...
「麻衣さん…、やったのね、あなた…!えらいわ、ホント立派よ」
真樹子さん、私の前に来るなり早くも涙流しちゃってくれてる…
「とうとうやり遂げたなあ、お前。スゲーよ、ハハハ…」
祥子の方は…、豪快に笑ってくれてる(苦笑)
ここで私は体を起こしてね
私は、痛みは我慢できる程度で落ち着いてるからと二人に告げ、さあ、話を始めるぞ
...
「…左手の小指一本でチャラにしてもらっちゃったよ。でもさ、つりあい取れないでしょ、これじゃあ…。何かそこがね…」
「何言ってんのよ!小指だろうが骨一本には変わりなんだから、いいんだって」
「狂犬も同じこと言ってた。一本は一本だって」
「ハハハ…、麻衣、赤い狂犬に”一本”取られたなー」
アハハハ…
みんな、病院だってのに爆笑だ
そこへアンコウが戻って来たわ
...
「ああ、お待たせ」
「先輩、すいませんでしたね。今日は感謝してます」
「いいって。で…、どうだい、痛みの方はさ」
「今はさっきほどまでの激痛は収まってますよ。ですから、揃ったんで始めましょう。病院にはここで話すの、了解してもらってるんで」
ここの病院は大黒病院という、相和会がよく使う、言わばモグリに近い”融通の利く”、その筋には”御用達”らしい
「…あれ、久美と静美は?」
「真樹子さん、二人は帰しました。今日はショックを受けたでしょうからね。この4人で進めましょう」
「そう…。じゃあ、今日のところはね」
さあ、私にとっての狂犬への決着がついたからには、次だ…
麻衣
「…麻衣!!大丈夫?」
「麻衣さん!麻衣さん…!!」
「麻衣…、今、大黒病院に向かってるからね。辛抱するんだよ。…あんたたち、麻衣のこの姿、しっかり目に焼き付けなさい!」
「はい…」
私の時間は、今だ激痛に支配され続けている
だが、仲間たちの声はしっかり耳に届いていた
心にも…
...
病院に着いて手当をしてもらったあとは、だいぶ落ち着いた
今のところ激痛は若干収まって、少しづつ頭の中でも整理がついてきた
私は一階の待合の長椅子で横になってた
アンコウ先輩は車でここまで私を搬送してくれた後、久美と静美を送りかえして、その後また戻ってきてくれるらしい
左手に巻かれた包帯の上から右手を添え、目をつぶって仰向けになってると、私を呼ぶ声があった
「麻衣…!」
「祥子、真樹子さん!」
二人が駆け付けてくれたわ
...
「麻衣さん…、やったのね、あなた…!えらいわ、ホント立派よ」
真樹子さん、私の前に来るなり早くも涙流しちゃってくれてる…
「とうとうやり遂げたなあ、お前。スゲーよ、ハハハ…」
祥子の方は…、豪快に笑ってくれてる(苦笑)
ここで私は体を起こしてね
私は、痛みは我慢できる程度で落ち着いてるからと二人に告げ、さあ、話を始めるぞ
...
「…左手の小指一本でチャラにしてもらっちゃったよ。でもさ、つりあい取れないでしょ、これじゃあ…。何かそこがね…」
「何言ってんのよ!小指だろうが骨一本には変わりなんだから、いいんだって」
「狂犬も同じこと言ってた。一本は一本だって」
「ハハハ…、麻衣、赤い狂犬に”一本”取られたなー」
アハハハ…
みんな、病院だってのに爆笑だ
そこへアンコウが戻って来たわ
...
「ああ、お待たせ」
「先輩、すいませんでしたね。今日は感謝してます」
「いいって。で…、どうだい、痛みの方はさ」
「今はさっきほどまでの激痛は収まってますよ。ですから、揃ったんで始めましょう。病院にはここで話すの、了解してもらってるんで」
ここの病院は大黒病院という、相和会がよく使う、言わばモグリに近い”融通の利く”、その筋には”御用達”らしい
「…あれ、久美と静美は?」
「真樹子さん、二人は帰しました。今日はショックを受けたでしょうからね。この4人で進めましょう」
「そう…。じゃあ、今日のところはね」
さあ、私にとっての狂犬への決着がついたからには、次だ…